しろくまの宝箱

このブログでは、登山やカメラのこと、それらにまつわる買い物などを主に書いていきます。

料理とおもてなしの山小屋:船窪小屋@七倉岳 2016.09.25〜26

2016年9月25~26日に、七倉岳にある船窪小屋へ行ってきました。

今シーズンは週末になると雨が降ることが多く、なかなか山旅に行くことができません。この週末も鹿島槍ヶ岳を目指す予定でしたが、2日目の登頂予定日が雨予報に変わってしまったので諦めることにしました。せっかく遠出するのに、ガスで真っ白な山頂はいやですからね。

山頂に行かなくても楽しめる場所がないかと考えを巡らせていると、以前から気になっていた船窪小屋が候補にあがったのです。

船窪小屋

北アルプス・七倉岳(2,509m)の稜線に建つ、ランプと囲炉裏の山小屋です。食事が大変美味しいことでも有名です。

「山のお父さん・お母さん」と親しまれるオーナー夫妻が常駐しています。2人を慕って多くの人がボランティアとして、小屋の運営や登山道整備に協力されています。

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船窪小屋

 

鈴木みきさんの著書「あれを食べに、この山に行ってきました」でも紹介されています。

行程

前泊日

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中央道・長野道をひた走り、20時過ぎに安曇野ICをおりて国道147号沿いのデニーズで夕食をとりました。大町方面に向かうと店数が少なくなります。このエリアのコンビニで明日の朝食と昼食の食料を調達します。

七倉山荘前に着いたのは23時過ぎ。土曜から入山している人が多いようで、駐車場の8割方が埋まっていました。夜空には星が瞬いていて、明日の晴れが期待できそう。ここで車中泊をします。

 

1日目

七倉山荘前を出発、ゲートを通過すると橋を渡ります。橋から見上げる稜線あたりに、小屋や山頂があります。(山頂付近の稜線からこの山荘や駐車場が見えます。)トンネルを入ってすぐ右が、船窪新道への登山口です。

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川沿いの道を5分ほど進むと、左に折れて急登が始まります。しばらくすると「1/10」と書かれた看板が現れます。これは標高差140mごと置かれています。「2/10」…「5/10」…と必死にクリアしていくけれども、登っても登っても同じ景色が続くので心が折れそうです。

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「6/10」からは「鼻付き八丁」と呼ばれる、はしごが連続する地点。一気に標高をかせぎたい所ですが、序盤に頑張りすぎたせいか体が重い…。

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鼻付き八丁を抜けると空が見え始めます。木々の間から槍ヶ岳が見えました。スタート地点では緑でまぶしかった木々の葉も、赤や黄に色づき始めています。思ってもいなかった光景が広がり、妙に嬉しかったです。

「天狗の庭」に到着すると、槍ヶ岳まで続く裏銀座が一望できます。眼下に見えるのは高瀬ダムでしょうか?この高瀬ダムから日本三大急登の1つの「ブナ立尾根」を経て、裏銀座に続く縦走路へ出ます。

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早朝に比べると雲が多くなってきたけど、まだまだ大丈夫。山頂からの展望は期待できそうです。

「10/10」に到着。ここが船窪新道の終点です。急登も終わって、ホッと一安心。

 ほどなくして船窪小屋に到着。写真で見た通りに、タルチョ(チベット仏教圏で用いられる5色の旗)で飾り付けてあります。早々に暖かいお茶のおもてなしを受けました。疲れ切った体に染み渡るようです。

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昼食後、散歩を兼ねて水場へ寄ってから七倉岳へ向かうことにしました。

小屋に水道はないので、基本的に自分で調達する必要があります。小屋では500mlで100円で販売しています。(要容器持参)

水場までは30分弱、標高差120mほどを下ります。ザレ場の凄い場所から染み出ています。ここの水、とても美味しいらしいです。(貧乏舌の私には、違いが判らない…)

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水場から登り返し、七倉岳への分岐まで戻ります。山頂まではここから10分程度で到着です。

 山頂からは、船窪岳から烏帽子岳に続く稜線がよく見えます。北側を向けば、針ノ木岳、その向こうの立山剣岳がそびえ立っています。さて小屋に帰りますか。

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船窪小屋には電気がきていません。発電機もないので、夜の照明はランプです。おとうさんが1つ1つ丁寧に点灯して周ります。点灯した瞬間は、暖かな光に包まれてホッとします。

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小屋の夕食は16時半~17時ごろに始まります。出来合いの食材を使用せず、一品一品が手作り。疲れた体でも食べられる優しい味です。今回の山旅は、この食事を目当てにやってきたのです。標高2500mでこのような料理が食べれるなんて、とても贅沢なことですね。

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この日の献立:山菜(アザミ・ヤマニンジン)と野菜の天ぷら、ジャガイモの生春巻き、おかあさん自家製の蕗味噌がのった豆腐、煮物、マリネ、ご飯(白馬産の紫米入り)、味噌汁、クロマメノキの実とルバーブのデザート

19時からは囲炉裏端に集まってのお茶会。宿泊者が多い時は開催されないようなのでラッキーでした。ネパールティーを飲みながら、小屋とおとうさん・おかあさんの歴史をまとめたビデオを鑑賞します。そのあとは、宿泊者各自の自己紹介と今回船窪小屋へ来たエピソードに耳を傾けます。テントで過ごす夜もいいけれど、こんな交流がある小屋の夜もいいものですね。

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20時に消灯で、布団の中で明日に備えます。

 

2日目

朝食は5時半から。私の山旅はいつも時間に追われているので、小屋でゆっくり朝食を食べたことがありませんでした。朝から旅館のような朝食で、エネルギー満タンです。 

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外の様子は薄曇りで、天気予報ではこれから雨みたい。もう少し小屋でゆっくりしていたかったけど、雨天で木の根が多い急な登山道を下るのは怖いので、雨が降り出す前にできるだけ進んでおくことにしました。前回の甲斐駒ケ岳では、雨に濡れたカメラのメンテナンスが大変だったので、今回はあらかじめザックに収納し、写真撮影はあきらめました。

小屋の外に出ると、おとうさん・おかあさんが出発する登山者を、鐘を鳴らして見送ってくれています。私たちも、感謝と健康を願う気持ちを2人にお伝えして、6時半に下山を開始しました。

雨は降っていなくても、樹林帯に入ると足元は濡れています。ときより現れるはしごや木の橋から足を滑らせないように慎重に下って行きます。木の根に所々足をとられてヒヤッとしたけど、春に訪れた武尊山の根の張りかたのほうが困難な感じ。それを経験していたからか、今回は思いのほか手間取りませんでした。

工程の半分も過ぎないうちにひざ痛が発生しスピードが大幅ダウンしたものの、何とかゴールの七倉山荘まで到着。それまで雨は降らず、助かりました。

 

車に荷物を置いて、七倉山荘の日帰り温泉で汗を流しました。山荘の建物は完成して間もないようで、とてもきれいで快適です。浴場は洗い場が5人分程度の広さですが、平日の午前中ということもありほぼ貸切でした。

露天風呂につかっていたら、雨がいつの間にか本降りになってました。小屋をのんびりと出発していたら、雨の洗礼を受けていたでしょう。

中部山岳国立公園 源泉一軒宿 七倉温泉 七倉山荘

※売店入口わきの券売機で、日帰り温泉のチケットを購入(650円)

まとめ

有給休暇と遠征費を使って、百名山を登頂できなかったのは正直残念でした。でも山頂を目指さない山旅も、たまにはいいモノです。

お父さん・お母さんも高齢なので、いつまで小屋で待っていてもらえるかわかりません。2人がいらっしゃるうちに訪問できたのが良かったです。

下山間際にお母さんから頂いたお言葉を守っていきたいと思います。

 

アクセス(七倉山荘駐車場)

    • 長野自動車道 安曇野ICより約60分
    • 50台程度駐車可
    • 駐車場隣の登山指導所の裏に、きれいな公衆トイレあり(水洗)
    • トイレの水道は飲用不可

 

GPSログデータ

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